開催概要

展覧会名 energy ムサビ助手展
英語表記 energy: Research Associate Exhibition
会期 平成23年11月28日(月)~12月24日(土)
休館日 日曜日、祝日、12月23日(金)
開館時間 10:00~18:00(土曜日、特別開館日:17:00閉館)
会場 武蔵野美術大学美術館 展示室1・2

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入館料 無料
主催 武蔵野美術大学 美術館・図書館
企画 energy ムサビ助手展運営委員会

代表:今井俊介
副代表:森啓輔
企画1:藤井舞、山下亮、長嶋誠、三澤直也
企画2:今井俊介、亀井佑二、関ひとみ、森啓輔
広報:藤井舞、山下亮
会場設計・展示構成:長嶋誠、三澤直也
イベント:亀井佑二
デザイン:
[DM・ポスター] 藤井舞、山下亮、西朋子
[サイン] 藤井舞、日吉洋人、平野昌太郎
[web] 山下亮、菊地歩
[カタログ] 関ひとみ、平野昌太郎、山下祐香理、西まどか
撮影:石川道子

本展の趣旨

武蔵野美術大学美術館では11月28日(月)から12月24日(土)まで、本学の各研究室に所属し、教育、研究の一翼を担っている助手による展覧会を開催します。今回は11学科40名の助手が、造形メディアの多様性と新しい世代の可能性を表現した美術、デザイン全般にわたる制作、研究の成果を発表します。

助手展は1975年から始まり、当館の企画展の中でも長い歴史を持っています。また、特色として助手自らが企画・運営を行い、年ごとに新たな試みがなされています。

本展では、出展者の多様な専門領域に対応した研究発表の場の創出が目的とされ、助手の活動を総体的に伝えるために「energy」というキーワードが掲げられています。「energy」は、日本が抱えるエネルギー問題や、恵み、あるいは災害としての圧倒的な自然の力、また、万物がもつ生命力などを連想させ、東日本大震災以後の社会のあり方を問う重要なキーワードといえます。一方で、そのような社会背景に留まらず、次代を担う若きクリエイター、アーティストでもある助手にとって「energy」とは、創造性に満ちた自身の活動そのものを指し示すキーワードでもあります。

今回本展は、本学教授である津村耕佑と原研哉を企画協力に迎え、一線で活躍するアーティスト、デザイナーとの対話を通じてより社会に開かれた展覧会を目指しています。教育現場の最前線かつ、社会との接点である美術大学で日頃研究に励む助手が「energy」に向かい合いながら生み出される作品の数々は、私たちが生きている現代を象徴しながらも、現状確認に陥ることなく、その感性豊かな創造力によって新しい社会の可能性を提示してくれることでしょう。

企画1 概要

energy

「energy」に対して、アトリウム1,2の出展者は絵画、彫刻、工芸、プロダクト、ファッション、エディトリアル、建築、映像といったそれぞれがもつ多様な専門領域からのアプローチを実践します。アートとデザインの領域にまたがるさまざまなメディアによる表現を通じて、創造性が社会へもたらす可能性を見つめていきます。

企画1 参加者 20名 上村卓大須藤千賀角田真祐子深谷美里安藝俊郎
仲佐史恵藤森研伍丸岡勇太三澤直也長嶋誠
橋口博幸山崎連基内田阿紗子片山美緒鈴木泰裕
長𣘺亮吉岡孝浩梶山友里小西俊也御子柴ふゆ

企画2 概要

energy ≒ Life+communication+image+medium

「energy」から派生した視点によって、展示室1,2の出展者は会期を2期に分け、グループ展を行います。「life」、「medium」、「communication」、「image」の4つのキーワードによりそれぞれ構成される展示では、複数の視点から現代における美術作品がもつ意味を鑑賞者に問いかけます。

企画2 参加者 19名 稲垣遊為壮真吾今井俊介清野晃代坂本龍幸
安田京平長谷川佐知子豊泉綾乃吉松遼平朴志勲
亀井佑二北川陽史大野洋平関ひとみ荻原修
諸貫きよ恵菊池冨美恵牧野光一杢谷圭章

life / live

企画担当者:今井俊介

会期:後期 12月12日(月)~12月24日(土)

いつから美術は生活の場から切り離されてしまったのだろうか。
じっくりと時間をかけて作品に対峙する経験を忘れてしまってはいないだろうか。
今回は美術館・図書館がコレクションする名作椅子の中から、作品を愛でるようにじっくりと向かい合うための椅子を配してみよう。
じっくりと向かい合うことで、見落としていた作品の力や、見ることで得られる新たな発見で充たされる感覚をもう一度取り戻せないだろうか。

参加作家:坂本龍幸大野洋平諸貫きよ恵菊池冨美恵牧野光一

日本人

企画担当者:亀井佑二

会期:前期 11月28日(月)~12月10日(土)

日本の人々
日と本と人

誰がどこから来て、ここで国をつくったのか
これは偶然の集まりか
生命から人へ
魂から創造物へ
宇宙のここらあたりで
暗い闇のそこから大事な心臓を生み
循環と爆発を繰り返して46億年前に今の地球の姿となった。
塊は生命へそして、水から陸へと上がり
現在のアフリカから地球の隅々にいたるまでの移動を繰り返し
私たちは環境に沿った文明をゆっくりと形成していくこととなった。

この空間は「日本人」というテーマを共有する。
しかし国籍、考え、そして創りだすもの、
探求するものすべてが違う。
日本は変わりつつある
世界の意識はまとまりつつある
我々はここから何を創造できるか
ここからまたバラバラになることだけが決まっている。

参加作家:清野晃代朴志勲荻原修亀井佑二

vague outlines

企画担当者:関ひとみ

会期:後期 12月12日(月)~12月24日(土)

あいまいさ、という言葉が内包するまさにあやふやな感じはそのまま自身にはね返り、一層その意味や存在を不定なものにしていく。
ここにある景色もまたそれに近く、かたちや印象のどこか不明確さに支えられあいまいさは保たれ続けるだろう。

参加作家:稲垣遊長谷川佐知子杢谷圭章関ひとみ

medium liquefaction

企画担当者:森啓輔

会期:前期 11月28日(月)~12月10日(土)

 眠る男性や雲、スカートの襞。平面上に表象された様々な対象物は、技法独自のメディウムの流動性の強調と、形態としての不定形性という特性を備えている。それらの流動的形象とは、 鑑賞者の欲望の投影を許容するために選ばれた抽象といえるのだろうか。あるいは、その不定形な形態は、制度的な価値の転覆を何よりの目的としているのだろうか。
 画面内の対象物は、鑑賞者の視線に対して意図的な回転や逆転がなされている。そして、それは視覚性のみならず、制作におけるメディウムという現実的な物質のうちに、垂直性/水平性が撹乱されている。そこでは、重力の垂直性に抵抗するような複数の力が作用し、むしろその多方向性こそが形態の不定形性を保持しているといえる。「medium liquefaction」での複層化/多重化された平面における流動的形象とは、不確定性にみちた平衡システムの表象であろう。そこでは、多元的な無秩序の秩序化による自律的な形態が指向されている。

参加作家:今井俊介為壮真吾安田京平吉松遼平北川陽史豊泉綾乃


カタログ情報/購入方法

「energy ムサビ助手展」カタログでは、現在展示されている作品の図版と展示風景とともに、シンポジウムをはじめ各イベントのアーカイブをフルカラーで掲載しております。 カタログ刊行は、展覧会終了後(1月下旬頃)を予定しておりますので、ご希望の方は美術館受付にありますカタログ申込用紙に必要事項をご記入下さい。 展覧会期間中にお申込みいただきました方に限り、特別販売価格(500円+送料)にて購入可能です。 なお、購入方法に関する詳細のお知らせは、カタログ刊行後にra@musabi.ac.jpよりご連絡致します。


「energy ムサビ助手展」カタログ
判型:B5
ページ数:128p/フルカラー
発行:2012年1月下旬予定
金額:学外1,000円/学内500円

特別販売価格
500円+送料(ただし振込手数料は別途負担願います)