出品者インタビュー>岡田健太郎助手・櫻井かえで助手

岡田健太郎助手(共通彫塑研究室)
櫻井かえで助手(共通彫塑研究室)インタビュー


:彫刻学科では3年生になったら選択になるんで、そこから専門的にやり始めるんですけど、僕はそのちょっと前、2年生になってから石を彫り始めて、並行して鉄もやっているような感じでした。特にどっちがどっちっていうことでもなくて、組み合わせたり単体で使ったり。櫻井さんは動物をモチーフにしてるけど、僕は、そんなに具体的じゃないんですけど、人間というか、人体をきっかけにして制作してます。人間のサイズとか、何かしらを絡ませて、きっかけにして。

・人間の身長とか、体重とか、部分とか、ですか?

:部分ではなくてニュアンスというか。意識とか。自分のかたちをきっかけにはしていて、だから自刻像ですよね。でも、出てくるものはそんなに固有のものにしようとは思っていなくて、「人間」「人」っていうものに近くなるようにしてる。最終的に僕の自刻像、自画像にしようとは思わないですね。

・「人」を選んだのはどうしてですか?

もともと彫刻を始めたきっかけも人体。それが好きで、それをそのまま続けてる。櫻井さんも動物続けてるし。
:人間は苦手なんです(笑)。
あんまりこう「完全な抽象」ってするとつくれないんです。何かしらモチーフを置かないと。

・櫻井さんが木という素材を選んだきっかけを教えて下さい。

:大学3年生のときに自分で勝手に木を選んで、木彫ばっかりやってきました。最初に丸太を選んだんですけど、その時の扱いにくさが良かったというか。悪い木を使ってしまって、虫がわいたり、カビちゃったりっていうのがあって、結構苦労してつくって。そこから、次も、その次もっていう感じで木を使ってますね。早10年近くですね。ほとんど木ばっかり。最近はテラコッタで小品をつくったりもしてます。

・モチーフはいつも動物ですか?

:そうですね。動物や自然物、あと、工業製品とか違うものとの組み合わせ。葡萄とテレビを組み合わせたり。何かと何かを組み合わせるっていうのはずっと最近続いてますね。

・ご自分の作品で印象に残ってる作品はありますか?

:大学院1年生のときに初個展があったんですけど、自分の中で、それまでで一番大きい木彫の作品をつくって、それが大変苦労したと(笑)。どうにも大変でした。最長部で3mくらいあったと思うんですけど、馬よりも大きい。 それは動物と車の組み合わせ。修了制作にも出したんですけど、それが自分の中では一番印象に残っています。あんまり大きいものをつくると後が大変だということも学んだはずなんですけど、あまり学べてないっていう(笑)。



interviewer
高橋奈保子(視覚伝達デザイン学科研究室助手)
黒澤誠人(美術資料図書館)