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西尾聡志助手(建築学科研究室)インタビュー
聞き手:水上哲也氏(建築学科研究室教務補助)

・先ほど「現実性をもたせないと」というコメントがありましたが。

西:最後はやっぱり考えなきゃいけないことなので。一番解像度の高い人たちは、どんなに抽象性の高いことを考えていてもそこまで見渡して考えている…。そんな人いないか。一般論で?


・一般論でも、ここでも構わないですけど。

:人によりますよね。ここでもだいぶ違うだろうし。「そんな現実的なことやっててもだめだろう」みたいな感じは、たぶんする。
西:僕は作品を作ってて、可能な限り自分の模型に人を置きたくないので、たぶん人のことあんまり考えてない(笑)。


・人がいることや生活することがあまり配慮されない住宅とか建築。それは何なんでしょうか。

西:…建築(笑)?


・どう捉えているのかなって。機能を拠り所にしないんだとしたら。

:どこに向かっていくんだろうね。
西:難問だけど…(笑)。建築ってクライアントがいて、クライアントの「こう住みたいから」っていうのを元に建物を組み立てていくのが一般の理解だけど、生活することを度外視しても建築って成立すると思うんです。自律性を持つっていうか。たとえば住宅じゃないけど教会や寺院は彼らの権力や思想をはっきりと表してるし。「生活しやすい家を建てて下さい」ていう人にめちゃくちゃな家を作る、ていうことではなくて(笑)。
:生活って感覚的な問題だから刷り込みみたいなのもあるじゃないですか。その刷り込みの中で生きていて、特に住宅っていうのは既成概念で刷り込みだらけ。そういうのをちょっと違う視点でズラしたものから考えていって、ある接点だって勿論あるだろうし。
西:感覚的、慣習的な普段の生活の中で「生活」を輪郭をもったものとして感じ取っているか、というと必ずしもそうではなくて、どこか別の場所に身を置いた時にはと気づいたりとか、日常的な場所から離れたところで発見することもあるし。自分自身に対してもいろんな実験をしてないと何が生活かはわからない。だからデザインでも極端なものがあっていいと思うんですよ。それがあるから逆に発見するっていうか。
:同じ既成概念の中で考えちゃうとそれの中でしか泳げないからね。



interviewer
高橋奈保子(視覚伝達デザイン学科研究室助手)
黒澤誠人(美術資料図書館)