油絵研究室
長谷川冬香助手
5つの質問に対する5つの回答
あなたは何を作っていますか?(どんな研究をしていますか?)
室内を中心に、人の気配を感じさせる絵画を油彩で描いています。 衣服や寝具、カーテンなど、人の生活に接しているものはその身体の動きや皮膚の温度などの跡が残ります。 そこにひとつ興味深い世界を見ています。また、頭髪や手など、身体の一部を描くこともありますが、匿名性を大事にしており、顔を描くことはほとんどありません。 人自身より、その周りや気配を捉えることに興味があります。
なぜ今回の作品を制作しましたか?(なぜこの研究をしようと考えましたか?)
ベッドの上の畳まれた布団と衣服の布地の色や模様、その構成やかたちが興味深く見えたので、モチーフに選びました。
膨らんだ布団のなかに人が潜んでいたり、布団自体が生き物のように見えたり、そんな想像を重ねたりしておもしろがっています。
今回の作品のおすすめ、こだわり、一番大切な部分、はどこですか?
海を這っているナマコの様な縞柄の布団です。
あなたが影響をうけた作家(人物、もの、場所なんでもいいかと)はだれですか?又その理由を教えてください。
ジョージア・オキーフ、和菓子、白磁の陶器。
広がりのある世界観、薄い膜の奥に潜んでいる色、つるっとした冷たい触感とただずまい、そんものに感覚を触発され研がれてきました。
他の助手に一つ質問するとしたら、だれにどんなことを聞いてみたいですか?
彫刻研究室:長谷川佐知子助手に質問
石という素材を扱うことの一番の魅力と困難なことはなんですか。また、ノミの掘り跡が表面を覆っている様子が非常に美しいと思うのですが、その作業やこだわりについて教えてください。
回答:全く自分の思い通りにならないところが一番魅力でもあり、また素材に頼ってしまうとこでもあり(あまりよくないのですが)困ったところでもあります。それを無理くり征服していくのが快感なのでしょう。鑿跡は少し前は実際に同じ大きさでドローイング書いてシュミレーションをしていましたが、どうしても勢いがなくなったりするので、最近の鑿跡は行為と形が一体になっていく課程を大事にしています。